Ao Kato
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白鳥の街

白鳥が水面を叩き
誰もいない街の
朝を揺らした

彼女は逃げおくれた
夜をカーテンで包み
足早に歩むが
大丈夫だとうなずいた

その日の午後には
はじめて雪が降りつもり

呼吸をするように
屋根もそっとうなずいた

直線と窓「白秋献詩 佳作受賞」

ランドバッグの角が
早朝に句読を打ち
氷点で鳴き止む一斉の鳥たち

轍だらけの机の上で
金魚をついばむ拍節器
まっすぐに伸びていく窓はまだ遠い

短点と長点を叩く心臓に
震えで世界を鼓動させる唇に

存在とは割り切れない小数点であって
体温とは迷いを照らす常夜灯であって

絞りだしたミルクと同じくらいの勇気を
わたしは、わたしの熱で腐らせていく

なぜなどはない
それが人生なのだから
産声に喚起し、遺影に理解をしめす
それが人生なのだから

最初の線は白だった
自由へ急行する直線する白だった
窓はまだ遠い

わたしは、わたしの存在をまた薄めていく

終わりと始まり「美術家 中谷優大 二〇二五年九月提供」

争いには点があって
平和には線がある

争いには熱があって
平和には無がある

争いには声があって
平和には沈黙がある

争いには始まりがあって
平和には終わりがある

築き、崩れ、気づくとき
また芸術は生まれる

Based in Tokyo, Japan

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